背中のトレーニングは、姿勢改善やボディメイクに欠かせません。
「猫背を治したい」「逆三角形ボディになりたい」とチャレンジする方々も多いでしょう。
しかし肩や腕ばかりが疲れてしまって、体に変化がなく、トレーニングを諦めてしまう人も多いようです。
現場で35年指導していると、背中の筋トレをしても効果が出ない人には、ある共通したパターンがあることが分かります。
この記事では、その間違った典型パターンを整理し、初心者でもすぐ修正できるポイントについて、わかりやすくご説明いたします。

背中トレで効果が出ない原因は、背中の神経が働かず、目で確認することもできず、腕や肩を使ってしまうことです。
重要なのは広背筋という筋肉であり、僧帽筋を使い過ぎてはいけません。
鍵は肩甲骨にあり、肩甲骨を締めて下げる動きができないと効果はありません。
肩甲骨の動きが硬い人は、まずマッサージやストレッチなどで周りの筋肉をほぐすことが重要です。
1. 背中の筋肉が姿勢改善やボディメイクに重要な理由とは?
私たちの体には、重力に逆らって立ち上がったり、物を持ち上げたりするための筋肉が備わっています。
背中の筋肉でいうと、木に登る、何かを引っ張るといった動作に使われています。
しかし現代の生活で、こうした動作を行う機会はほとんどありません。
デスクワークなどで座る時間が長くなると、背中の筋肉は十分に使われず、徐々に弱くなっていきます。
背中の筋肉が働くことで上半身はまっすぐに保たれていますが、その筋肉が弱ると、姿勢のくずれは一気に進みます。

お年寄りの背中や腰が曲がるのも、年をとったせいではありません。背中の筋肉が弱くなったせいです。
私の施設には、80~90歳の方々もお越しになりますが、ちゃんと運動をしていれば、背筋はしゃんとしています。

女性にとっての「引き締まったウエスト」、男性にとっての「逆三角形の体」は、目標とされる体型の上位に挙がることが多いでしょう。
これらのシルエットづくりに大きく関わるのが、腕の付け根から骨盤までついている背中の筋肉である「広背筋(こうはいきん)」です。
広背筋が十分に使われず発達しないと、上半身の横幅が出にくくなります。
結果としてウエストとの差がなくなり、ずん胴になってしまいます。

もちろん、腹筋エクササイズなどでウエスト自体を引き締めることも大事です。
ウエストの引き締めについて詳しく知りたいときは、次の記事も合わせてお読みください。
2. 背中の筋トレが難しい理由とは?
日常生活では背中の筋肉を使う機会が少ないため、うまく意識して動かすことが難しくなっています。
これは、自転車にはじめて乗るときと似ています。
筋肉自体はあっても、思い通りに動かすことができない状態です。
そのため背中の筋トレにチャレンジしても、背中ではなく腕や肩を使ってしまい、効果がでないことが多いです。
背中は自分の目で動きを確認しにくいため、正しく使えているかどうか、分かりにくい点も難しいことの一因です。
3. 背中の筋トレでも特に重要な筋肉とは?
背中には多くの筋肉があります。
ひと口に背中といっても、肩の後ろや腰が含まれることもあります。
下のイラストに、「僧帽筋(そうぼうきん)」という筋肉があります。

僧帽筋は日常生活やデスクワークでも使われることが多く、弱くなることはありません。
むしろ使い過ぎると肩が盛り上がり、やや「モッサリとした」重たい印象になることもあります。
広背筋は、木に登る、引き寄せるといった動作に使われる筋肉で、運動不足や加齢によって弱くなりやすい部位です。
広背筋を強くすることで、姿勢の改善やボディメイクにつながります。

本来は肩の後ろにある「三角筋」や脇の下にある「大円筋」などのエクササイズもとても重要です。
4. 背中の筋トレの鍵は肩甲骨にあるってホント?
はい、本当です。肩甲骨を自在にコントロールできないと、背中の筋トレをしても効果は薄いでしょう。
人の体は関節でつながっていますが、肩甲骨にはほぼ関節がありません。
そのため、上下左右にある筋肉でお互いに引っ張り合って、場所を決めています。
姿勢がよい人の肩甲骨(右のイラスト)は、間が締まり、下に下がっています。
猫背の人の肩甲骨は(左のイラスト)、左右に開いて、上に上がってしまっています。

この肩甲骨の位置を決めるのが、背中の筋肉群です。
「菱形筋(りょうけいきん)」で肩甲骨の間を締めて、広背筋で引き下げることが、背中の筋トレの鍵です。

そもそも肩甲骨が固まって動かない人は、運動する前に柔軟性を回復しないとなりません。
まずはマッサージや整体、ストレッチで筋肉をほぐすことが先決です。
筋トレのなかでも、背中のエクササイズは本当にフォームが難しいです。
姿勢改善やボディメイクに重要であることは間違いありませんが、フォームを間違うと、むしろ逆効果です。
フィットネスジムでそんな方々を見かけるたびに気の毒でなりません。
この記事で、背中エクササイズにおけるポイントを分かっていただければ幸いです。
次の記事では、実際に背中のエクササイズについてご紹介しています。





