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ステロイドの筋肉増強作用は、どういったものなのか?

いますぐ簡単にスタイルが良くなりたい!とは、誰もが思いますよね。
でも、筋肉をつけて体脂肪を減らすのは、時間がかかるものです。

それを「あっ」という間に行う薬が、アナボリック・ステロイド・ホルモン(筋肉増強剤)以下ステロイドです。
現在は病院でもネットでも、気軽に購入することができます。でも、薬には副作用があることを知りましょう。

結論

医療目的以外で、ステロイドを使ってはいけません。多かれ少なかれ副作用があり、自分の人生を台無しにしてしまうでしょう。

フィットネス系のインフルエンサーでステロイドを使う人が多くなっていますが、その人たちの食事や運動アドバイスを試しても、効果はありません。
もしあなたが運動指導者であれば、その人たちと関係を持つこと自体がマイナスです。

1.ステロイドって何ですか?何のために使うの?

スポーツやボディビルとは関係のない方々にとって、ステロイドいえば、炎症の治療や更年期障害で使われる医薬品のイメージがありますよね。

そもそもは自然に体内で作られている男性ホルモン、女性ホルモン、ストレスホルモンなどをいいますが、ここでは筋肉増強剤として使われる、医療目的ではないホルモン注射や経口薬のことをいいます。

筋肉増強剤としてのホルモンを「アナボリック・ステロイド・ホルモン」といいます。

ステロイドを飲んだり注射で打ったりする行為は「ドーピング」といわれ、オリンピックを含むスポーツ競技やボディビルではルール違反として禁止されています。

フィットネス雑誌を読んでいると「一ヶ月で筋肉を5キロつけた」などの記事を目にすることがあります。
しかし、きちんと筋トレについて学んでいるトレーナーは、そんなことはあり得ないと知っています。

筋肉をつけるのはとても大変なことなのですが、ステロイドを使うととてつもないスピードで、簡単に手に入れることができるのです。

2007年にアメリカで作成されたステロイドの糾弾映画「BIGGER FASTER STRONGER」では、一時の富と名声を手に入れるためにステロイドを使っていた陸上選手、野球選手、プロレスラーなどが実名で公表されています。

私もアスリートでしたので、1秒、1キロを争うスポーツ選手やボディビルダーが手を出したくなるのも、わからないではありません。

もし検査によってドーピングがわかった場合は、タイトルはく奪はもちろん、出場資格も停止されることになります。

たかだまん
たかだまん

気をつけないといけないのは、海外製のプロテインなどにステロイドが混入している可能性があることです。
そのつもりはなかったのに、ステロイドを使っていると判断されてしまいます。
ステロイドでなくても、マオウ(風邪薬)やエフェドリン(興奮剤)などもドーピングになりますので、アスリートの方々は気をつけましょう。

2.筋肉増強目的のステロイドって効果が高いのですね!試しても害はないですか?

私はいかなる理由があっても、治療以外に使うことはおすすめしません。

ステロイドは自然に体内で作られているものです。それを薬や注射で摂取してしまうと、体内で作ることをやめてしまうからです。

薬には副作用があります。ステロイドで起こる副作用は次のようなものです。

・身体的作用
ニキビ、脱毛症、睾丸萎縮、女性型乳房、不妊症、肝機能障害、心臓発作など

・精神的作用
依存症、躁うつ、攻撃性、妄想症、性欲減退など

中高年の更年期障害では、医療目的で成長ホルモンである男性ホルモンや女性ホルモンを使用する場合があります。

そのように医療機関で行った場合でも、注射を止めたときには体調不良や精神トラブルが出ることもあります。

まして自己判断でステロイドを使った場合、もっとリスクは上がります。

ステロイドはプールいっぱいの水にスポイトで一滴垂らしたくらいで効果があります。
そんな少量でも身長が伸びたり、性別が変わってしまうほど強い作用があるのです。

日本でも、2022年にはステロイドを使っていたと噂されるボディビルダー兼プロレスラー、パーソナルトレーナー2名が相次いで亡くなり、今病気で苦しんでいるYoutuberもいます。

たかだまん
たかだまん

私が出場した米軍基地のボディビルコンテストでは、「お前何使ってんの?」みたいな会話がされていてビックリした記憶があります。 
大学時代には知り合いで使っている人もいました。確かに数年で凄い体に変わりましたが、後半は躁うつが始まり精神病院に入ってしまったそうです。
実は私も使うようアドバイスされたのですが、本当に断ってよかったです。

3.そんなに危険なステロイドが、どうして禁止されていないのですか?

確かに法律で禁止はされていませんが、スポーツ競技大会などでは、ドーピング行為は禁止されています。

1,競技者の健康を害する。
2,フェアプレーの精神に反する
3,反社会行為である。

人が10年かけて筋肉をつけたり成績を残す過程を1年に短縮できるかも知れませんが、得るものは少なく、失うものは多いような気がします。

100m競走でいうと、ほかの選手の50m先でスタートするようなものです。はたして、それで勝って嬉しいのでしょうか?

たかだまん
たかだまん

確かにスポーツにおいて、「どこまでがフェアか」は難しい問題ではあります。
・ゴルファーがコンタクトレンズをする。
・格闘家が計量前に血を抜いて、後で輸血する。
・ビキニ選手がバストやヒップにシリコンを入れる。
現時点では、これはフェアとされていますよね。

運動指導者でも「ステロイドは悪くない、使う使わないは個人の自由」という人もいるのですが、「悪い」に決まっています。

近年SNSや動画サイトで、明らかにステロイドを使っているインフルエンサーが多くなりました。
それにより、まじめにがんばっている選手やインフルエンサーが不利益を被っているのです。

ステロイドを打っているインフルエンサーが「〇〇のエクササイズすると筋肉がつくよ!」といっていたり、胸にシリコンをいれているインフルエンサーが「バストアップにはこのエクササイズがいいよ!」といっているのを真に受けても、効果はありません。

ステロイドもシリコンも違法ではありません。打つのも入れるのも自由です。
しかし、それを黙って人を騙すのは「詐欺」であり、指導者として最低のことです。

私は高校生のころ、シルベスター・スタローンやアーノルド・シュワルツェネッガーに憧れて筋トレを始めたのですが、どうがんばってもなれるわけがないのです。

数十年前のアメリカの状況が、今の日本になっています。

たかだまん
たかだまん

ステロイドを使っている人をユーザー(使っている人)といいます。
実際に見分けるのは難しいですが、ホルモンの関係で肩回りの筋肉が異常に大きくなります。
やはり罪悪感があるのか、けして「ステロイドは使ってない」とはいいません。
本当に使っていないのであれば、そのくらい何でもないはずですが、おかしいですよね。

このままいくと規制がかかって法律化されるかも知れませんが、今は病院で「筋肉増強外来」などと謳って医師がステロイドを提供していたり、個人でネット購入することもできます。

以前は海外での話だったものが、すでにあなたの身の周りにあります。
買おうとすれば、いまあなたが持っている携帯で買うことができるのです。

私はフィットネス業界関係者として、ユーザーや所属団体とはお仕事いたしません。
その人たちと一緒にいることで、同類と判断されてしまうためです。

私のブログ読者が、ステロイドの危険性について正しく理解し、騙されないことを願います。

高田 洋史

107.5キロ→73キロへダイエット→88キロへボディメイク。パーソナルトレーナー・フィットネスコンサルタントの高田洋史(たかだひろし)です。お客様のダイエットやボディメイクをサポートすることで、人生に貢献できることを喜びとし、ライフワークとしています。「たかだまんのあなたの人生がちょっと良くなるブログ」主宰。宮古島在住、全国で活動中。

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