食事

低糖質ダイエットは効果がありますか?

「ロカボ」「糖質制限」など、様々な言葉で呼ばれる「低糖質ダイエット」。よく耳にする言葉ですが、実は明確な定義はありません。

大事なのは「糖質」と「炭水化物」の違いを知ることです。この2つは同じものと思われていますが、少し違います。
そして、糖質や炭水化物を食べないと、代わりに脂質やタンパク質をたくさん摂ることになり、健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。

日本人の主食は、炭水化物であるお米です。糖質との違いを正しく理解しましょう。

結論

・低糖質ダイエットよりも大事なのは「良」糖質ダイエットです。
・白米よりは玄米を、小麦粉よりは全粒粉を食べるなどの工夫が重要です。
・食事の回数が少ないほど太ります。1日3回、栄養バランスよく食べましょう。

1.お米とバナナは、どう違うのですか?

お米もバナナもいずれも炭水化物です。糖質は炭水化物の一部です。

バナナは糖質の量が多く、エネルギーになりやすい半面、太りやすいともいえます。
お米や麦は繊維質やビタミン、ミネラルを多く含み、糖質の量は少なくなります。

そのためバナナよりも、お米や麦のほうがダイエットに向いています。

糖質は、体内で吸収されてエネルギーになります。
そして、消化吸収されずエネルギーにならないものを繊維質(食物繊維、ファイバー)といいます。

もともと糖質と繊維質は同じものとされていましたが、別のものであることがわかり、炭水化物=糖質+繊維質となりました。
そのため現在は、炭水化物(糖質)と書かれることが多いようです。

糖質は、体のエネルギー源として重要な役割を果たしています。
特に、脳は糖質を主なエネルギーとして利用しています。

使われなかった糖質は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられますが、その量には限りがあります。
あまった糖質は体脂肪として蓄えられますので、肥満につながります。

そのため、炭水化物(糖質)であるお米やめん類、パン、くだものなどの食べ過ぎには注意が必要です。

炭水化物は下図のように、炭水化物>糖質>糖類に分かれ、体内でも>の方向に分解されます。


糖類や糖質であるジュースやお菓子などを直接食べると、急激に血糖値があがって太りやすくなります。
繊維質を含む炭水化物である、お米やパンなどをしっかり食べましょう。

たかだまん
たかだまん

炭水化物に含まれる繊維質は、水溶性食物繊維と難消化性食物繊維に分かれます。海藻や果物などの水溶性食物繊維は腸内細菌のエサとなって環境を良くしてくれますし、野菜やきのこなどの難消化性食物繊維は腸のかべを刺激してお通じをよくしてくれます。

上記の観点でも、やはり糖質より炭水化物を食べることが大事になるでしょう。

2.低糖質ダイエットで、ご飯やパンはどれくらい食べても良いのでしょうか?

低糖質ダイエット(ロカボ:ローカーボハイドレイト・ダイエット)で有名な江部康二先生が提唱する糖質量も、1日に30~140グラムと幅があります。

ご飯茶碗1杯(160g)に含まれる糖質は50グラムですが、糖質は野菜やいも類にも含まれます。
低糖質ダイエットで指導される量が、いかに少ないかがわかるでしょう。

厚生労働省は1日に食べるエネルギーの60%を糖質で摂ることを推奨しています。

これは成人男性2000kcal/日として1200kcal、量にして300グラムになります。お米4杯、またはパン4枚程度は食べてよいことになります。

もちろん、低糖質ダイエットは推奨していません。

この記事でも、低糖質ダイエットは推奨していません。
まず先に「良」糖質ダイエットをおすすめいたします。

「良」糖質ダイエットとは、糖類、糖質であるジュースやお菓子をやめ、炭水化物であるお米やパンを食べることをいいます。

糖質はすぐエネルギーになる重要な栄養素で、不足すると疲れやすくなります。
食べるときは玄米や全粒粉など、精製されていない炭水化物を選ぶことで、太りにくい体質になります。

以下の表はご飯一杯あたりの玄米と白米の栄養を比較したものです。

玄米や全粒粉、オートミール(燕麦)などに含まれる胚芽(ぬか)やうすい皮には、ビタミンやミネラル、繊維質がたくさん含まれています。

繊維質の働きによって血糖値の上昇がゆるやかになり、ビタミンやミネラルの働きによって体脂肪がすみやかにエネルギーになり、太りにくくなります。

糖質は脂肪と異なり、すぐエネルギーになる「クリーン」な栄養です。
糖質が不足すると、集中力が低下したり、疲労感を感じたりします。

低糖質ダイエットも短期間行うのであれば良いですが、それよりも優先するべきは、やはり玄米や全粒粉、野菜などを食べる「良」糖質ダイエットでしょう。

たかだまん
たかだまん

低糖質ダイエットを行うと、結果として脂肪やたんぱく質の量が多くなります。
たんぱく質は窒素を含み、とりすぎれば害がありますので、食事に占めるカロリーの割合として25~30%が良いとされています。

どうしても低糖質ダイエットを行うのであれば、夕食のお米などの炭水化物を食べないくらいでも、十分効果はあるでしょう。
ただし、間食をしたりデザートを食べるなら、本末転倒です。

もともと低糖質ダイエットは糖尿病の治療として一部で行われているもので、そのとき糖質の摂取量は、通常の半分ほどに制限されます。

低糖質ダイエットを行うと数日で数キロ体重が落ちますが、それは体内の糖質(グリコーゲン)と水分が少なくなったためであり、体脂肪は落ちていません。
逆に低糖質ダイエットをやめると、その分一気に戻ります。

たかだまん
たかだまん

ダイエット中に甘いものが欲しくなるのは、糖質がてっとり早いエネルギーになるためです。甘いものが欲しくなる原因は、
・血糖値が乱高下しやすい糖質を食べている。
・ビタミンやミネラルが不足している。
この場合、食材や栄養素の工夫をすることで、食欲が収まることもあります。

たかだまん
たかだまん

ダイエットのプロ?であるボディビルダーも、まずは食べものに含まれる脂質をカットします。
その後、どうしても体重が落ちないときに、はじめて糖質をカットするのです。
つまり低糖質ダイエットは、行う順番が違うのです。

3.痩せたいときは、食事の回数も少ないほうがいいですか?

食事に含まれる糖質が足りないと、かわりに脂質(体脂肪)やたんぱく質(筋肉)がエネルギーとして使われます。
これは「糖新生」といい、ダイエットのポイントでもありますが、筋肉が失われてしまうことにもなります。

たくさん太りたいお相撲さんは1日2回、脂肪を落として筋肉をつけたいボディビルダーは1日5回以上食べています。
その違いは血糖値のコントロールです。

1日を通して血糖値の乱高下が少なく安定しているほど、瘦せやすくなります。
わかりやすくいうと、「ドカ食いをやめて、少しずつ食べものを口にする」ということです。

たかだまん
たかだまん

いつも食べものが入ってくれば、非常時のために体脂肪にしておく必要はないですよね?
逆にたまにしか食べれないのであれば、ラクダのコブのように体脂肪としてエネルギーを溜めないとなりません。

糖質は筋肉や肝臓にエネルギーとして蓄えられますので、疲労回復にも効果があります。

これはグリコーゲン・ローディングと言われ、スポーツや筋トレをするときは運動前後に炭水化物や糖質をとることが重要です。

1)食事は1日3回(以上)。食事を抜かない。

2)お腹がすいたまま運動をしない。
・1時間前であれば、おにぎり、サンドイッチなど
・30分前であれば、バナナ、ゼリー、ジュースなど

3)運動後はすみやかに食事をとる。
・1時間以内にバランスの良い食事をとる。
・1時間以上開くときは、バナナ、ゼリー、ジュースなどで補食をとる。

今回はエネルギーになる3大栄養素のうち、炭水化物(糖質)についてお話いたしました。
世界の民族の食べものは、肉、小麦(パン)、乳、ジャガイモ、そしてお米です。
そして私たちアジア系の人種であるモンゴロイドは、ずっとお米を食べています。

体もそれに順応していますので、しっかりご飯を食べて健康でいたいですね。

もっと食事や栄養についてちゃんと知りたい!と思ったあなたは、一度食事&栄養アドバイスを受けてみませんか?

高田 洋史

107.5キロ→73キロへダイエット→88キロへボディメイク。パーソナルトレーナー・フィットネスコンサルタントの高田洋史(たかだひろし)です。お客様のダイエットやボディメイクをサポートすることで、人生に貢献できることを喜びとし、ライフワークとしています。「たかだまんのあなたの人生がちょっと良くなるブログ」主宰。宮古島在住、全国で活動中。

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