どんなに効果があっても、危険なエクササイズには価値がありません。運動をするということは、どうしても事故や怪我のリスクが高くなります。
最も危険なのは、心臓が止まってしまったり、頭を打って脳が損傷してしまうことです。
万が一のときでも、CPR(心肺蘇生法)を知っていれば、助かる(助ける)ことができるかもしれません。
1. CPR(心肺蘇生法)について簡単に知りたい!
事故や災害の通報が入ると救急隊や自衛隊が出動し、けが人がいるときは助けてくれますよね。
その際、もし心臓が止まっている人がいれば心臓マッサージや人工呼吸を行います。これをCPR(心肺蘇生法)といいます。
ご近所の消防署や自治体などで、無料の救命講習を実施している場合があります。特に小さなお子さんがいる方は、CPRやAED使い方を知ってっておくことが望ましいです。
CPRは人命救助の方法の一つであり、実際には以下の3つを知っておくと良いですね。
1.FIRST AID:応急処置
事故や急病のとき、安静な体位をとらせたり止血をするなど、患者の症状を悪化させないようにして生存率を高め、救急隊や医師に引き渡すための応急処置をいいます。
骨折やねんざの固定、脱水症や熱中症の対応、ハチやクラゲの消毒なども含みます。
2.CPR:Cardiopulmonary Resuscitation:心肺蘇生法
心肺停止状態(心臓や呼吸が止まっていること)で行います。
心臓を圧迫して血液を循環させて、人工呼吸を行うことで酸素を送り、脳や内臓などの重要な臓器が酸欠により損傷しないようにするものです。
3.AED:Automated External Defibrillator:自動体外式除細動器
心臓に異常(心室細動など)がある場合、電極パッドをはって電気ショックを行うことで、心臓を正常に戻す(除細動)ための機器や方法をいいます。
救命率が高く、非医療従事者でも使うことができますので、駅やコンビニ、自動販売機にも設置されています。
2. 運動指導者が、CPR資格を持っている理由とは?
学校の体育でも社会人スポーツでも、運動をすると心臓がドキドキしたり、筋肉が伸び縮みしたりします。
日常生活と比べて事故や怪我のリスクは高まります。
さらに柔道やラグビーなどの人と接触のあるスポーツであれば、打撲やねんざ、骨折などをする可能性が高くなります。
しかし、最も危険なのは、死に直結する可能性がある事故や怪我です。
それは学校の体育ですと、陸上競技では心停止、柔道では頭部外傷、水泳では溺水などとされています。
フィットネスクラブでは、ランニングマシンやスタジオレッスンでの心停止、水泳での溺水があります。
心肺停止状態になると、時間がたてばたつほど助かる可能性が低くなります。
東京消防庁より引用
心肺停止となった場合、その蘇生率(生き返る可能性)は二次曲線的に低下するします。
しかし、救急隊や医師に引き渡す前にCPR(AED含む)を行うことで、蘇生率は2倍近くに上昇します。
日本で救急車を要請した場合、現場に到着するまでにかかる時間は平均で8.6分です。
現場にいる方々がいち早くCPRを開始できるかどうかが、傷病者の社会復帰に大きく影響しているのです。
そのため、体育教員やフィットネスクラブのスタッフは、CPR資格を取得していることが望ましいでしょう。
3. 誰でもCPRの資格はとれますか?
はい、もちろんです。できれば皆さん、取得していただいたほうがよいかと思います。
夏になると毎年多くの人が、海や川の水難事故で命を落としています。その多くは子どもです。もしそのとき、事故現場にCPRができる方がいれば、助かる命も多いことでしょう。
ましてや事故にあったのがご自分のお子さんであり、もしCPRができなくて命を助けられなかった場合、一生後悔することになるとは思いませんか?
もし資格をとってみようかな?と思った場合は、所轄の消防署で無料で実施している救命講習が良いでしょう。
詳細や日程については、直接消防署に問い合わせをしてみてください。
また複数名集まる場合は、出張で講習を行ってくれる場合もありますよ。
消防庁の資格は、次のように分かれます。
・普通救命講習(3時間)
成人の心肺蘇生法、AEDの使用法、気道異物除去法などについて行います。
・上級救命講習(8時間)
上記に加えて、小児・乳児の心肺蘇生法、外傷の手当、体位の変換や搬送について行い、実技と筆記試験もあります。
私はこれまで、
- 日本赤十字社 救急法
- 消防庁 上級救命講習
- アメリカ赤十字協会
- BSACライフセーバー
などの資格を持っていましたが、実際に使ったのはFIRSTAID止まりで、CPRもAEDも使ったことはありません。
資格をとることも大事ですが、知識と技術をブラッシュアップするために、講習を再受講することも忘れないようにしましょう。
もしフィットネスジムやクラブに入会する場合は、AEDが設置されているか?スタッフはCPR資格を持っているか?一度確認すると良いですね。