健康

メタボとロコモは違うもの?成人病や生活習慣病はなくなったの?

高血圧や糖尿病などの成人病は、近年では発症年齢が低年齢化しています。そのため、これらの病気を生活習慣病と呼ぶようになりました。

メタボやロコモは、生活習慣病の早期発見・早期治療に役立つチェック機能です。

年一回の健康診断は大事ですが、その日だけがんばって数値をクリアしても意味はありません。
健康を手にするには、どうすればよいのでしょうか。

結論

メタボやロコモは、どちらも生活習慣病の予備軍です。病気になってしまっては遅いので、未然に防ぐために診断が行われます。

メタボではウォーキングなど有酸素運動で血液を循環させることが重要であり、ロコモでは筋トレで筋力をつけ、ストレッチで柔軟性を保つことが重要です。
また、いずれにしても食事管理も外すことはできません。

厚生労働省は、健康的な食生活や運動習慣を推進するための方針を「健康日本21」として定めています。
この方針に基づいて、食事や運動に気を付けることで、メタボやロコモを予防することができます。

1. 健康診断でメタボだといわれました。基準はなんですか?

メタボは心臓や血管など循環器系の病気です。2006年ごろから、厚生労働省でメタボリックシンドローム(メタボ)という名称が使われるようになりました。

高血圧、高脂血症、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中など、不健康な生活習慣で起こる病気を「生活習慣病」といいます。

もともとは成人病という名前でしたが、どんどん低年齢化するため、生活習慣病に改称されました。

生活習慣病になる前の前段階がメタボリックシンドロームであり、40歳以上は全員、健康診断の受診が決まっています。

以下の基準を超えるとメタボと診断されます。

1.ウエストサイズ(腹囲)
男性で85cm以上、女性で90cm以上

2.脂質
中性脂肪値が150mg/dl以上
HDLコレステロール値が40mg/dl未満

3.血糖値
空腹時血糖値が110mg/dl以上

4.血圧
収縮期血圧が130mmHg以上
拡張期血圧が85mmHg以上

この数値以下であれば循環器系(心臓や血管など)の病気のリスクが下がるとされています。
健康のためには食事管理をし、有酸素運動で血液を循環させることが重要です。

2. メタボとロコモの違いとは?その基準も知りたい!

ロコモティブシンドローム(ロコモ)は筋肉や骨など筋骨格系の病気です。
日本整形外科学会が、2007年に使い始めました。

がんや脳出血に次いで寝たきりの原因となるのが、転倒や骨折、関節疾患です。

年をとることで筋力が低下すると(サルコペニアといいます)、関節の動きが悪くなります。
すると膝や股関節に痛みや不具合が起きて、事故や怪我につながるのです。

以下の基準を超えるとロコモと診断されます。

1.立ち上がりテスト
40cm、30cm、20cm、10cmの4種類の高さの台に座り、両脚または片脚で立ち上がる。

2. 2ステップテスト
スタートラインより、大股で2歩歩いて、2歩分の歩幅を測ります。
歩幅 (cm) ÷ 身長 (cm) を2ステップ値とし、専用の表に合わせて評価します。

3.ロコモ25
25個の質問で、体や生活状況をチェックします。

先ほど「年をとることで筋力が低下」といいましたが、これまでの運動不足が発症リスクを高めるのは間違いありません。

メタボでは有酸素運動が大事でしたが、ロコモでは筋トレで筋力を維持し(いわゆる貯筋)、ストレッチで柔軟性を保つことが重要です。

もちろんメタボと同じく、食事管理も行いましょう。

3. メタボやロコモを予防するために、おすすめの食事や運動はありますか?

現在ネットやSNSでは様々な情報があふれています。

日本の健康や生活向上を行う厚生労働省は、健康的な食生活や運動習慣を推進するための方針を「健康健康日本21」として定めています。

まずはこれが健康情報の基本の基です。
ここをクリアしないでほかのことに手を出しても、効果は薄いのです。

高価な健康食品やサプリメントばかりに手を出さず、3度の食事をきちんと食べましょう、という感じになります。

大きな目標としては、

  • 平均寿命と健康寿命を延ばす。
  • 生活習慣病やがんを予防する。
  • 健康づくりの社会環境を整備する。

といったことが書かれていますが、一人一人の健康づくりのために以下の方針があります。

※本来は肥満やがんについても方針があるのですが、ここでは食事と運動のみピックアップしています。

3-1. 栄養・食生活

①脂肪エネルギー比率の減少

・目標値25%以下

これは1日2000キロカロリー食べるのであれば、脂肪は500キロカロリーにあたります。
グラム換算では55グラムになります。

つまり、一食あたり15〜20グラムということですね。
食品の栄養表示を見る習慣をつけましょう。例えばドーナツは一つで20グラム以上の脂肪が含まれます。

脂肪には、いろいろな種類があります。
身近なものとして、動物性脂肪(飽和脂肪酸)と植物性脂肪(不飽和脂肪酸)があります。

牛や豚の脂はなるべく少なくしましょう。
エゴマやアマニ油、魚油(EPAやDHA)やオリーブオイルなどにすると良いでしょう。

②食塩摂取量の減少

・目標値10グラム未満

ラーメン一杯で塩分は5〜10グラムにもなります。
外食やコンビニ弁当も味付けの濃いものが多く、塩分は多めになります。

まずは薄い味付けに慣れるようにしましょう。ハーブや香辛料を使って減塩の工夫も試してみましょう。

③野菜の摂取量の増加

・目標値350グラム以上

一食分は、片手に生野菜を山盛りにして100~150グラム程度の量になります。
生野菜は量が多く吸収もしにくいので、温野菜やおひたし、みそ汁など加熱調理がおすすめです。

ビタミンCやB群は水溶性ビタミンといわれ、数時間で水と一緒に排泄されてしまいます。
毎食適量を食べるように心がけましょう。

④ カルシウム摂取量の増加

・牛乳・乳製品130g以上
・豆類100g以上
・緑黄色野菜120g以上

体重を落としたいときは、牛乳は低脂肪、ヨーグルトは無脂肪などにすると効果的です。
牛乳が合わない人は、小魚などを骨ごと食べることによって、カルシウムが摂れます。

豆類はカリウム、マグネシウム、亜鉛などを含んでおり、ミネラルの供給源として重要です。
肉や魚、卵など動物性タンパク質と合わせて食べると、体への吸収も良くなります。

緑黄色野菜と淡色野菜は含まれるカロチン(ビタミンA)の量で分かれています。
1/3以上を緑黄色野菜(ビタミンAが多い)でとると良いでしょう。

緑黄色野菜は、にんじん、ピーマン、ほうれん草、トマト、ブロッコリーなど。淡色野菜は、レタス、きゅうり、大根、白菜、長ネギなどです。

3-2. 身体活動・運動

① 歩数の増加

・目標値男性9200歩、女性8300歩

大体10分で1000歩という計算です。

現在の日本人は1日300キロカロリーほど消費エネルギー(運動)が不足しているといわれています。不足分を補うために1日の歩数は、10000歩が目標とされています。

通勤や通学で歩いている時間を引いて、足りない分をジムでのウォーキングやランニングに当てると良いでしょう。

例えば、通勤で30分歩いているのであれば、不足分60分をウォーキングするか、30分ランニングすると、消費カロリーは同じ位になります。

※なんと運動について、厚生労働省の指針は一つしかありません。

この食事と運動の指針は、最低限の健康を手に入れるためのものです。病気ではないことと、健康であることはイコールではありません。

よりアクティブな人生を送るには、食事や運動に気をつけましょう。

急な病気では薬や病院も大事です。
健康の基本は日ごろの食事や運動、そして睡眠です。

IT技術はますます発達し、私たちの運動する機会は減るばかりです。
しかし、私たちの体は数百万年前とあまり変わっていません。

ジャンクフードを食べて座ったままの生活を続けていると、メタボやロコモになるのもそれほど先ではないかもしれません。

重い腰をあげて、食事管理と運動を頑張りましょう。

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高田 洋史

107.5キロ→73キロへダイエット→88キロへボディメイク。パーソナルトレーナー・フィットネスコンサルタントの高田洋史(たかだひろし)です。お客様のダイエットやボディメイクをサポートすることで、人生に貢献できることを喜びとし、ライフワークとしています。「たかだまんのあなたの人生がちょっと良くなるブログ」主宰。宮古島在住、全国で活動中。

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