コアトレ(―ニング)とは、体幹を鍛える筋トレです。体幹を鍛えることで、姿勢が良くなったり、腰痛を予防することができます。
コア、体幹、インナーマッスルの違いと、コアトレのメリット・デメリットについて知りましょう。

コアはお腹の中心部にあたり、体幹は肩甲骨から骨盤までの範囲を差します。
体幹が弱いと感じたり、腰痛の不安があれば、クランチやプランクなど基本のコアトレをするとよいでしょう。
運動の最初にスイッチを入れるために軽く行い、最後にしっかり疲労するまで行うと効果が上がります。
1.コア、体幹、インナーマッスル、違いはわかりますか?
コアや体幹、インナーマッスルという言葉は同じように使われていますが、それぞれ違います。
・体幹
フィットネス業界では、コアや体幹というと、肩甲帯から骨盤まで、頭や腕、脚を除いた広い範囲を指します。コアと呼ばれることもありますが、ここを体幹と呼ぶとよいでしょう
・コア
ピラティスやヨガ業界では、肋骨の下から骨盤の内部にある横隔膜(おうかくまく)、腹横筋(ふくおうきん)、骨盤底筋(こつばんていきん)、多裂筋(たれつきん)の4つの筋肉群であり、体幹よりも狭い範囲を指します。ここをコアと呼ぶといいでしょう。

・インナーマッスル
インナーマッスルとは、体の深いところにある筋肉の総称です。
コアはお腹のインナーマッスルです。お腹でも表層にある腹直筋(ふくちょくきん)や腹斜筋(ふくしゃきん)はアウターマッスルと呼ばれます。
肩関節などにもインナーマッスルはあり、ローテーターカフなどと別の名前がついています。
本ブログでコアといった場合は、肩甲骨から骨盤、いわゆる体幹を差すものします。
2.コアトレを始める前に知っておきたいメリット・デメリット
ダイエット業界やフィットネス業界で一世を風靡したコアトレーニングですが、最近はあまり聞かなくなりました。それはなぜでしょうか?効果がなかったのでしょうか?
・コアトレのメリット
コアトレの効果は、日常生活やスポーツをするときに、体幹を安定させるというものです。
体幹が安定することで、腕を伸ばしたり、片脚を持ち上げたり、といった動作をスムーズに行うことができます。
コアは、ハサミの真ん中にある止め具のような働きしています。
腕や脚が動く直前に体幹を安定させて、力を出しやすくしたり、腰の怪我を防いでいます。
ギックリ腰になりやすい人は、その反応が遅いといわれています。
このように、コアトレは、日常生活やスポーツにとって、とても重要なトレーニングです。
・コアトレのデメリット
コアトレにデメリットはありませんが、コアトレのみを行うことは賢い選択ではありません。
私の知る限り、アスリートでもコアトレのみをしている人は聞いたことありません。
書籍の売名行為であったり、実はコアトレではなかったり、自分のトレーニングとしてはやっていないケースも多いです。
ちなみにレスリングの選手はバランスボールに乗るのが上手ですが、それはタマゴとニワトリの話です。
レスリングをやっているのでコアが強く、バランスボールに乗るのがたまたま上手なのであって、バランスボールに乗るようなコアトレはしていません。
デメリットではありませんが、バランスボールに乗ることがコアトレだと思って無理をして、落ちる事故が多発しています。
とても危険ですので、スタッフの指導のもと行うようにしましょう。

コアトレーニングでお腹はへこむの?とご質問をいただきますが、それはありません。
体の中にある空間である腹腔(ふっこう)が狭くなって少しは変わりますが、お腹の脂肪が減るわけではありません。
やはり食事管理と有酸素運動で体脂肪を燃やす以外に方法はありません。

3.コアトレーニングでバランスボールを使うのはなぜか?
コアは体の深いところにあるインナーマッスルであり、姿勢を保つ筋肉でもあります。
歩いている時につまずいても、自分の意識とは関係なく、自然に姿勢を立て直しますよね。
これは体のバランスを乱される「外乱要因」があると、姿勢反射が起こって勝手に働くためです。
エクササイズを行うときは、「不安定要素」もポイントになります。
動かない姿勢で30秒以上プランク(うつ伏せで行うエクササイズ)ができるのであれば、それ以上続けるのは賢い選択ではありません。
プランクを行うときはバランスボールに肘を乗せてフラフラしたり、片手や片脚を浮かせたりすると効果が高くなります。

コアトレについての基本がお分かりいただけましたでしょうか?
もしご興味があれば、実際のコアトレのエクササイズもご紹介しています。
コアトレだけでなく、全身のエクササイズを合わせて行うとより効果があることについてもお話させていただいております。
