コアトレだけをして、一般の筋トレはしないという方々もいるようですが、それは正しいのでしょうか?
コアトレをいつ、どのようにするのが効果的なのかを掘り下げてみましょう。
「クランチ」「プランク」といった基本エクササイズをおすすめいたします。
バーベルなどのフリーウェイトでは、自然とコアが働いています。改めてコアトレをする必要はないでしょう。
スポーツ選手やアスリートは、特別なコアトレを行うこともあります。
1.なぜコアトレ「だけ」では不十分なの?
トレーニングマシンは座って行うため、コアはほとんど使いません。
バーベルなどの重りを持って行うフリーウェイトは、姿勢を保つだけでもコアが働いています。
つまり、フリーウェイトをしないでコアトレするのは、ちょっともったいないことになります。
アスリートの多くはフリーウェイトで筋トレをしているため、コアトレを行う人は少なかったりします。
運動不足でコアが弱くなっていると、いきなりフリーウェイトにチャレンジするのは腰を痛める原因にもなります。
そのような場合は、基本のコアトレを行うとよいでしょう。
まずは、基本のコアトレから始めましょう。

クランチ:腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋などアウターマッスル
- 床に仰向けになる。
- 膝を90度にして床に置くか、持ち上げる。
- 腰を床に押し付ける
- 両手で頭を軽くサポートし、視線を膝へ。
- 息を吐いて肩甲骨を浮かし、吸って戻す。

プランク:腹横筋など、コアのインナーマッスル
- 床にうつ伏せになる。
- 肘と膝(またはつま先)をつく。
- お腹を浮かし、背骨をまっすぐに保つ。
- わずかに骨盤を後傾する(おへそを引き込む)
- 視線を真下に保ち、呼吸を繰り返す。
2.コアトレはいつ行うといいですか?
コアトレには、目的別に様々な種類があります。
リハビリやスポーツトレーニングとして行う場合は、筋トレの最初か最後、2つのタイミングで行なわれます。
・運動不足解消や姿勢改善
基本は筋トレの最後です。
コアはすべての運動で使われるため、コアが疲れてしまうとフォームを保つことができず、怪我につながります。
そのため、全身のエクササイズが終わった後にコアトレしましょう。
最後に筋トレとして行うのであれば、コアが疲れるまでしっかりと行います。
・ウォームアップや怪我の予防
最初に行う場合は、体をうまく動かせる要(かなめ)であるコアにスイッチを入れるときです。
これをマッスルアクチベーション(筋肉の活性化)といいます。
マッスルアクチベーションとして行う場合は、ウォームアップとして軽く行いましょう。
3.アスリート向け「本当の」コアトレーニング
最後に少しだけ「本当の」コアトレをご紹介いたします。
ここでご紹介するのはアスリート向けのコアトレです。
野球ならバットを振ったり、格闘技なら相手と組み合ったりする練習に近くなります。
コアが強くなって体幹が安定すれば、膝立ちや立った状態でコアトレを行いましょう。
3-1.動作の中で行うコアトレ
ケトルベルスイングなどがおすすめです。
体幹をしっかり保ちつつ、股関節や肩関節を使う練習になります。


3-2.身体の「ねじれ」に対するコアトレ
うつ伏せのエクササイズではショルダータップやローテータープランクなどがメジャーですが、さらにレベルアップとしてワンハンド・ケトルベルスイングなどもいいでしょう。


フリーウェイトでトレーニングを行っている人は、バーベルのプレートを片側のみにつけるオフセットにして、スクワットやベンチプレスなどを行います。

※かなりバランスが難しいので、気をつけて行いましょう。
3-3.直接スポーツに役立つコアトレ
もっとスポーツに役立つようにするには、立った姿勢で行うことが重要です。
ケーブルの片側を外して行うオフセット・スタンディング・ケーブルプレスなどを行うといいでしょう。
下の写真は向かって右側の重りしか付いていません。
その状態で体を正面に向けることで「ねじれ」に対する強化エクササイズになっています。

以上、指導歴30年の私がコアトレ「だけ」の筋トレをおすすめしない理由でした。
これから運動を始める方や、腰痛などのご不安がある方は、クランチやプランクなどの基本エクササイズを、全身の筋トレの前後に行いましょう。
より体のパフォーマンスを高めたいアスリートは、全身の筋トレと合わせて行うとよいでしょう。
オンラインでもご指導やアドバイスは可能です。
何かお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
