健康やダイエットのためには、何を食べれば良いのでしょうか。
いきなり食べる量を減らすことはよくありません。栄養バランスの良いものをしっかり食べましょう。
栄養の基本や、食べものとサプリメントの違いについてなど、はじめに知っておきたいことをまとめています。

運動効果がでるのも、しっかり食事をしてこそです。しっかり食べるとは、お腹いっぱい食べることではありません。
ご飯や脂肪でカロリーをとれば良いのではなく、肉や魚、野菜などをバランス良く食べましょう。
サプリメントもたくさんありますが、まるごと食材を食べるホールフードが大事です。
食べることは生きること、美味しいものをゆっくり味わい、楽しく食事しましょう。
1. 食事よりも運動が重要ですよね?

人は食事をすることで栄養をとり、動いたり体を作ったりしています。
食事をしないと栄養不足になり、不調を感じたり病気になったりします。
運動も重要ですが、体にとってはエネルギーが減り筋肉が壊れることになり、いずれにしてもマイナスです。
運動した後にご飯を食べたりや寝たりすることで、プラスに転じます。
食事や睡眠をおろそかにすると、思うように運動効果は上がりません。
運動も大事ですが、それ以上に栄養や休養が重要です。
食事の内容は、あなたの目標によって変わります。
健康のため?ダイエットのため?それともボディメイクのためでしょうか?もう少しくわしく見てみましょう。
2. 栄養素にはどのようなものがありますか?
生きものは体をつくる、動くなど生きていくために、食べものを食べて、消化、吸収する必要があります。これを栄養と言います。
栄養ではなく食事というときは、レストランでご飯を食べることや、その場のコミュニケーションも含まれます。
栄養のもとになるものを栄養素と言います。
中でもエネルギーになる糖質、たんぱく質、脂質を3大栄養素と言い、体を作ったり調整するためのビタミン、ミネラルを加えて5大栄養素といいます。
5大栄養素には含まれませんが、水、繊維質(食物繊維)、野菜や果物に含まれるポリフェノールなどのフィトケミカルも、栄養素と言われることもあります。
ダイエットなどで食事コントロールをしてビタミンB1やビタミンCが不足すると、脚気(かっけ)や壊血病(けいけつびょう)という病気になってしまいます。
病気ではないとしても、体調が良くないと感じているのであれば、栄養不足のサインかもしれません。健康のためには、すべての栄養素をバランス良く食べることが重要です。
それぞれの栄養素については、栄養カテゴリーの記事でお読みください。

「3食バランス良く食べる」「1日30品目」などと言われますが、毎食や毎日では大変です。
完璧を目指そうとしないで、1~3日のなかで調整できれば十分です。
凝ったお料理を作る必要もありません。料理研究家である土井善晴さんのご著書「一汁一菜でよいという提案」を読むと、気持ちが楽になるかもしれませんよ。
3. カロリーコントロールで使うPFC比って何ですか?

カロリーとはエネルギーの単位です。
1カロリーは1グラムの水の温度を 1°C上げるのに必要な熱量です。
私たちは食事や運動のエネルギーとして、カロリーを吸収、消費しています。
生きていくために必要なカロリーを基礎代謝と言います。
体重1キロあたり24キロカロリーですので、体重が60キロの人であれば1440キロカロリーになります。
健康管理やダイエットをするときのカロリーコントロールは重要ですが、食事のカロリーを基礎代謝より下げてしまうことはとても危ないのでやめましょう。
カロリーコントロールは食事全体をどのくらい食べるか?ということですが、PFC比は何(栄養素)をどのくらい食べるか?ということです。
これを3大栄養素の頭文字をとってPFC比と言います。
- P プロテイン(たんぱく質):肉、魚、豆、乳など
- F ファット(脂質):動物の脂肪や皮、調理油、魚油など
- C カーボ(糖質):砂糖、ごはん、パン、パスタなど
健康やダイエットのための食事コントロールであれば、PFC=2:2:6が基本です。
※くわしくはPFC=25:15:60%です。
これはカロリー比率なので、もしあなたが1日2000キロカロリー食べるとすれば、PFC=400:400:1200キロカロリーとなり、グラムにするとPFC=100:45:300グラムとなります。

P プロテイン 1グラム=4キロカロリー
F ファット 1グラム=9キロカロリー
C カーボ 1グラム=4キロカロリー
脂質はたんぱく質や糖質の2倍のカロリーがあります。
ちょっとしか食べないのに太るという人の多くは、脂質の摂りすぎです。

たんぱく質、脂質、糖質以外の栄養素であるビタミン、ミネラル、食物繊維などにカロリーはありません。
しかし、体を作ったり体調を整えたりする大事な働きがありますので、ダイエットをするときでもしっかり摂るようにしましょう。
たんぱく質、脂質、糖質が食事にどのくらい含まれているか一般的にはわかりません。
- ご飯茶碗一杯150グラムで、糖質50グラム
- 鶏肉100グラムで、タンパク質30グラム
しかし、お弁当やジュースの栄養表示を見ることで、ある程度わかります。
また、栄養分析アプリ(あすけんなど)を利用することで、より正確にPFCを計算することができます。
日ごろ食べているものには、たくさんのF(脂質)が含まれていることに気づくと思います。
そのため、まずは脂質の摂取量を意識して、食生活を見直してみましょう。
例)ミスタードーナツ オールドファッション
・カロリー 293kcal
・たんぱく質 3.3g
・脂質 18g
・炭水化物 28.5g
脂質18gはカロリーにして162kcalとなり、1日にとってよい脂質の1/3~1/2になってしまいます。
4. サプリメントよりホールフードが良いのはどうして?

サプリメントは健康補助食品です。食材から特定の成分をとりだして、健康に役立てようとするものです。
ホールフードは食材そのままか、できるだけ素材や栄養を残して加工した食品です。
プロテインやビタミン剤などのサプリメントは、一つか複数の栄養素をとることはできますが、ホールフードのようにすべての栄養素や食物繊維、抗酸化作用のあるフィトケミカルなどをとることはできません。
また、栄養素はすべて関係して働いています。
ビタミンCは鉄分の吸収を良くしますし、吸収された後もビタミンEなどと一緒に体内で働いています。
ホールフードのように食材すべてを食べることで、栄養素の吸収率も上がり、体内でも働きやすくなります。

ある実験で、リンゴ1個(ビタミンC7.5ミリグラム)とビタミンCの錠剤1錠(ビタミンC200ミリグラム)をそれぞれとってみたところ、体内にビタミンCが多く残っていたのはリンゴのほうだったそうです。
サプリメントも効果的ですが、やはりバランスの良い食事をとることが大事です。
ビタミンやミネラルのサプリメントをとるときは、食事と一緒にとることを忘れないようにしましょう。せっかくの価値が下がってしまいます。
ミネラルには、マンガンやコバルトといった微量元素もあります。
食べものに含まれる量もとても少ないため、しっかりご飯を食べていても「いつも同じものばかりを食べている人」は不足してしまうことがあります。
肉であれば、牛、豚、鶏など、葉野菜であれば、ほうれん草、小松菜、春菊など、食材をローテーションすることも忘れないでください。

白米、まぐろ、ピーマンはホールフードでしょうか?
玄米であれば胚芽(ビタミン)や皮(食物繊維)があり、小魚であれば骨や内臓(カルシウムやマグネシウム)があり、ピーマンも種を食べるかどうかで栄養は変わります。
上記の食材は一般にホールフードですが、そうではないかもしれませんね。
ホールフードは広い定義です。砂糖や小麦粉のように精製されたものほど、栄養が少なくなるのは間違いありません。
プロテインやビタミンなどのサプリメントに頼り過ぎるのはやめましょう。
5. きちんと食べるって、どういうこと?

ご飯を口にいれることは、体に吸収させることや、体内で働かせることとは違います。
ご飯を食べているのに体調が悪いという人は、そもそも「きちんと」ご飯を食べていない可能性があります。
レストランでレモン水が出てきたり、ステーキにパセリがついてきたりする理由は、レモン水の酸味が唾液を分泌させ、パセリの苦味が消化液を分泌させるためです。
それにより、食べものが消化吸収しやすくなるのです。
スマホを片手に5分で牛丼をかき込んでいたり、コップの水をがぶがぶ飲んでしまえば、ご飯はかたまりで胃に入り、胃液も薄まって、消化、吸収は難しくなります。
ご飯は車のガソリンではありません。ゆっくりと味わい、よく噛んで食べないといけないことがわかりますよね。
今回は食事や栄養の基本と、カロリーについてお話いたしました。
現代の日本は食べものがあふれており、お腹ではなく頭で食べる時代といわれています。
私たちが日ごろ口にする食べものも、穀物は輸入に頼って農薬が多くなり、野菜は水耕栽培になって栄養が少なくなり、コンビニやファミレスの調理済食品は甘味料や添加物ばかりです。
この記事をお読みいただいて、これまで何気なく口にしていたものに興味をもっていただければ嬉しいです。
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